わたしたちのまち暮らし山暮らし

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あたたかな住まいと
家庭菜園で、
のびのび子育て。

今井ゆきのさん(保育士)

豊かな緑の中にひときわ映えるワインレッドの住宅。
家の前に広がるのは、四季折々の実りをもたらす家庭菜園。
自然を身近に感じる環境でご家族6人の暮らしを楽しむ今井さんに、お話をうかがいました。

今井ゆきのさん

今井 ゆきの (いまい ゆきの)

今井 ゆきの (いまい ゆきの)

八王子市出身。現在は川口町に自宅を構え、ご主人、4人のお子さんとの6人家族。職業は保育士。

子どもたちと一緒に育つ家。

今井さんはご出身も八王子だそうですが。

はい、生まれてからずっと八王子です。
現在は保育士として八王子市内の保育園で働いています。

こちらのお宅を建てたのはいつ頃ですか?

住み始めたのは平成23年の春からです。この家は北欧のハウスメーカーの住宅なのですが、私の実家も同じメーカーの住宅で、機能もデザインも優れていると感じていたので、「自分たちの家を建てるなら北欧系で」と決めていました。

北欧系の住宅だと冬の寒さにも強そうですね。

窓が3枚ガラスになっていて、気密性が高く、断熱効果に優れています。デザイン的にも木のぬくもりを感じられて、気に入っています。

赤を基調とした外観も素敵です。

日本の伝統色だと「弁柄色(べんがらいろ)」と呼ぶ深い赤なんですが、スウェーデンではこういう色の住宅が多いらしいです。ここも周りの山の緑がきれいなので、赤が映えるのではないかと思ってこの色にしました。

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1階のキッチンから吹き抜けを通じて2階にいるお子さんたちの顔が見えたり、庭へと続くウッドデッキにブランコがあったりと、お子さんたちが喜びそうな仕掛けがたくさんありますね。

家を建てるにあたって、「子どもたちと一緒に育っていく家」というイメージで設計をお願いしました。ブランコなどの遊具は義父や主人が手作りで用意したものが多いんですけど、私たち親自身も参加しながら、子どもが遊べる場所を用意してきました。

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自分の手で育てた野菜・果物のおいしさ。

お家の前に広がる家庭菜園では、いろいろな野菜や果物が穫れるそうですね。

トマトやキュウリ、インゲン、オクラ、ホウレンソウ、サツマイモ、イチゴなどですね。大きいものでは大根やカボチャも。あと、育ててみて驚きがあったのはゴーヤです。熟れたときに中が真っ赤になるのを、子どもたちも私も初めて見ました。

育てる過程では、お子さんたちも一緒に参加するそうですが。

作物によって穫れる時期が変わるし、それぞれに「旬」があるんだという季節感を感じてもらえたらと思っています。今の時代はスーパーに行けばたいていの野菜や果物はいつの時期でも買えますけど、畑で穫れると「イチゴって5月ぐらいに穫れるんだ」と、子どもたちも意識するようになります。野菜でも果物でも季節のもののほうが栄養価も高いですし。
そういう意味でも、自分の目の前で育った野菜や果物を食べるというのは価値があることなんじゃないかなと思っています。

「食育」の面でもプラスになるんですね。

以前はキュウリが苦手だった子も、ここで育てるようになってからは進んでバリバリ食べるようになりました。ただ逆に、ミニトマトが豊作だった年には長男が食べ過ぎて、その後しばらくトマトを食べなかったということもありましたけど(笑)。次女の1歳の誕生日には、ちょうど庭でイチゴが穫れる時期だったので、ホットケーキにイチゴを載せたバースデーケーキを作りました。

自分の目で見て育ってきたものが料理やケーキになって出てきたら、お子さんもうれしいですよね。

子どもたちも楽しみながら参加してくれています。春から夏にかけては子どもたちは朝5時には起きるんですが、そういう朝は「穫ってきて!」と声をかけて畑に行ってもらうこともあります。行ったまま畑でそのまま食べてることもありますけど(笑)。

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豊かな自然と、快適な利便性。

周辺の環境を眺めてみると、すぐそばに里山があって、自然が豊かです。

子どもたちが自然の中で自由に遊べたらいいなという思いはありました。家の近くには小川が流れていて、水がきれいなので夏はホタルが出ます。毎晩のように子どもたちと見ています。秋には、子どもたちと一緒に山散歩をしたり、どんぐり拾いをしたり。山には山の危険があるんですけど、それでも都会と比べて車も通らないし、この家から見渡せる範囲も広いので、子どもたちが遊びに出てもある程度は放任しています。

自然から学べることもありますよね。

家の2階には「図書館」と呼んでいるスペースがあって、子ども用、大人用に関わらず、家にある全ての本を置いてあるんですが、ここに住み始めて最初に買った本は植物図鑑でした。子どもたちと一緒に「外で見た花は何ていう名前だろう?」と調べるためです。他にも昆虫図鑑とか、家から身近につながっている世界のことを知るのが楽しいみたいで、子どもたちは朝起きたらだいたい「図書館」で本を読んでいますね。

自然が豊かな一方で、例えば買い物などの利便性もあるわけですよね。

車があれば全く不便はないですね。バス停も近くて、乗ってしまえば駅まで一本ですし。ショッピングモールや八王子の駅ビルに行けば、だいたいの買い物は足りますよ。

八王子は地場野菜が手に入るのもいいですよね。

はい。農家の方も多いので、近くのスーパーでも地元で穫れた野菜がたくさん並んでいます。それから畑のそばに設置されている無人直売所も人気で、夏は朝早くに行かないと売り切れてしまいます。朝穫れた新鮮な野菜を出勤前に買う人が多くて、朝7時ぐらいには直売所の前でプチ渋滞が起きています(笑)。こういう形で旬の新鮮な野菜がお手頃な値段で手に入るのは、八王子ならではのことで、うれしいですね。

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子どもが巣立っても、心地よく帰ってこられる場所に。

こういう素敵なお家があると、やはり休日はご自宅で過ごすことが多いのでしょうか。

ええ。私にとってはいちばん楽しい時間というか、安心する時間ですね。もちろん出かけることもあるんですけど、まだ小さい子どもがいるのでそんなに長時間は出かけられませんし。子どもたちも家で遊ぶほうが好きみたいなので。
何も予定がない休日には、ちょっといいものを買ってきて、家族みんなで食べるようにしています。それが今、「ああ、いい休日だったな」と思える一日でしょうか(笑)。

このお宅、そしてご家族のこれからについて、思い描くことがあれば教えてください。

将来的に子どもたちが巣立っても、心地よく帰ってこられる場所にしたいと思っています。いい意味で変わっていきながら、でも、心地よさは変わらずに保っていけたらいいなと思います。