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応援してもらいながら、
夢を実現できるまち。

平本 樹矢さん・美咲さん

生まれ育った八王子でドーナツ専門店#NO NAME DONUTSをスタートさせた平本さんご夫婦。
八王子の小さな店からいずれは全国へと、夢に向かって挑戦し続けるお2人に起業やまちの魅力についてきいてみました。

夢に向かって踏み出した一歩

八王子で「飲食店」を始めたきかっけは?

樹矢さん僕は元々、会社員で営業職として働いていましたが、4年ほど前に飲食業界に転職しました。理由は何かを作ることが好きだったこと、たくさんのお客さんと接することのできる飲食の仕事に魅力を感じたこと。それまで未経験の仕事でしたが、転職を決意しました。
美咲さん当時、私は市内の保育園で保育士として勤めていました。夫とは、結婚前からずっと「いずれは一緒にお店をやりたいね」と話していました。夫と同じく、接客業の経験がなく不安でしたが、彼についていこうと決心。担当していた子どもたちの進級時期に合わせて、保育園を退職しました。
樹矢さん僕たち2人の地元である八王子。お世話になった方々に自分たちの料理を食べてもらいたいという思いもあり、「お店を持つなら八王子」と決めていました。

20 代という若さでの「開業」、どのように叶えたのですか?

樹矢さん転職後はハンバーガー店やピザ店で経験を積みながら、独立に向けて計画を立てていました。そんな時に地元情報サイトで見つけたのが、八幡町に新しくできたシェアキッチン&シェアスペース「MACHI-HUG」の出店者募集の情報。独立の前に店舗経営の経験ができ、料理の味を試すことができる機会と考え、迷わず申し込みました。
2022年4月に、営業日は毎週水曜日の週1日ですが念願だった店を開業。ランチ向けのハンバーガーと、小腹が空いたときに気軽に食べることができて、市内に専門店が少ないドーナツをメニューにしました。ピザ店の仕事を続けながらだったので買い出しや仕込みなどは大変でしたが、自分たちのお店だと思うと、それも楽しかったですね。
美咲さんいざ出店となると、宣伝や接客など、私たちにとって初めてのことばかり。悪戦苦闘していましたが、同じくMACHI-HUGに出店している方が宣伝してくれたり、お客さんが口コミで広げてくれたりして、少しずつリピーターもできました。自信がなかった接客も、勇気を出して話しかけてみると、とても優しく接してくださる方ばかりで話が弾みました。MACHI-HUGで出会ったお客さんは、今では常連さんに。人のつながりの豊かさや温かさを感じています。

MACHI-HUGでの開業から数か月後には、桑都テラスで常設店舗をオープンされましたね。

美咲さん桑都テラスで開業したきっかけは、知り合い(よく行く店のマスター)から聞いたテナント募集の情報。MACHI-HUGで経験したことをいかして独立するチャンスだと思いました。手続きや設備の準備などに手を焼きましたが、アドバイスをいただいた近隣の店舗の方々には感謝ですね。
樹矢さん桑都テラスでのお店をドーナツ専門店にしたのは、MACHI-HUGで「顔のドーナツ」が好評だったから。ファンの方もできたので、ドーナツで勝負することにしました。

インタビュー写真

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おいしさへのこだわりと、
店名に込める想い

お店の看板メニューである「顔のドーナツ」へのこだわりを教えてください。

樹矢さんポイントは「目でもおいしい」ことです。これは妻のアイディアですが、チョコレートで作った目玉のパーツを1つ1つ手作業ですべてのドーナツにつけて、顔のようにしています。
美咲さんまちの人たちに、「#NO NAME DONUTSと言えば、顔のドーナツ」と少しずつ知ってもらえてきた感じがします。もちろん、おいしさにもこだわっていて、1番のこだわりは「食感」。サクッとした歯切れとふんわり感があり、2~3個はぺろりと食べられそうな、あっさりとしたドーナツにしています。
樹矢さんこだわりの食感を作るには、生地作りが最も大切。2人でドーナツを食べに出掛けては、試作を繰り返しました。今でも話題の店などに足を運ぶなど、よりおいしくするために試行錯誤を重ねています。

「#NO NAME DONUTS(ノーネーム ドーナツ) 」という店名にしたのは?

樹矢さんMACHI-HUGで開業した時のこと。「これだ!」という屋号が思いつかないと知人に話したところ、「名前がないなら名無しでもいいのでは」と言われました。なるほどと思い、「名もなき〇〇屋」の意味合いと、アメリカをイメージするお店にしたかったことから、英語表記で「#NO NAME」に。そこに八王子の市外局番をつけて、「#NO NAME[042]」としました。桑都テラスではメニューをドーナツに特化したため、「#NO NAME DONUTS」に。
ゆくゆくは、全国展開も考えています。その時は、MACHI-HUGのときのように、「03」などのご当地の市外局番も店名につけてみたいですね。

インタビュー写真

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まちも盛り上げるチャレンジを、
これからも

お2人にとって、八王子はどんなまちだと思いますか?

樹矢さん桑都テラスに入るテナントの方々は、私たちと同世代で初めてお店を持つ方が多いです。若い世代でもこういったことができるのは、まち全体が若者世代を応援してくれているからではないでしょうか。私たちは段階的にステップアップできる環境に恵まれただけでなく、店舗開業にかかる費用や資金調達の時間などを最小限に抑えられたことで、商品開発に力を注ぐことができました。そういった意味でも、自分たちのやりたいことにまっすぐ取り組むことができるまちだと思います。

最後に、お2人の今後の目標や将来の夢、そして同じように八王子で起業を考えている同世代の方へメッセージをお願いします。

美咲さん今後の目標は、お店や桑都テラスのことを多くの人に知ってもらうことです。ここ桑都テラスでは、週末にはさまざまなイベントが開催され、市内外からお客さんが集まります。このような場所に出店できたことを追い風に、人とのつながりを大切にしながら、お店だけでなくまち全体を盛り上げられればいいですね。
樹矢さん夢は、誰もが知っているドーナツ屋になること。また、ずっと考えていたピザ店を開くことです。
これから起業する方には、自分の直感を信じて、失敗を恐れずどんどん挑戦してほしいですね。助け合いの心を持ち、つながりを大切にする人が多いこのまちであれば、きっとチャレンジできると思います。 (取材日:2023年1月)

インタビュー写真

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平本 樹矢(ひらもと しげや)

 

平本 美咲(ひらもと みさき)

八王子生まれ八王子育ち。「大好きな地元で自分の店を持ちたい」という想いのもと起業を決意。現在は桑都テラスでドーナツ専門店「#NO NAME DONUTS」を運営。イベント出店などでも販売を展開している。

 

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>シェアキッチン&シェアスペース MACHI-HUG

※現在は、#NO NAME[042]の情報はありません。

>#NO NAME DONUTS(公式インスタグラム) >桑都テラス