乱用されている主な薬物について
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第1 薬物の種類
- 大麻
- 麻薬
- 覚せい剤
- シンナー等の有機溶剤
- 向精神薬
- 鎮静 ・去痰薬
- その他
第2 薬物の説明
1 大麻
大麻とは、アサの1年草とその製品をいいます。
テトラヒドロカンナビノール(THC)という陶酔効果のある物質を含んでいます。
大麻草の葉を乾燥させた「マリファナ」、と呼ばれ、通常、吸煙で使用されています。使用すると一般的には、気分が快活、陽気になりますが、その一方で、視覚、聴覚、味覚、触覚等の感覚が過敏になり、変調をきたしたり、現在、過去、未来の観念が混乱して、思考が分裂し、感情が不安定になったりします。
このため、興奮状態に陥り暴力的、挑発的行為を行うことがあり、さらには、幻覚や妄想に襲われるようになります。
2 麻薬
麻薬は、中枢神経に作用して精神機能に影響を及ぼす物質で、依存性があり、乱用した場合、有害性が強いものです。
薬理作用から見ると、あへん、ヘロイン、モルヒネ等のように鎮静作用を有するもの、コカイン等のように興奮作用を有するもの、LSD等のように幻覚作用を有するものがあります。
あへんはけしから採取した液汁を凝固させたもので、モルヒネがつくられます。ヘロインはモルヒネから、ジヒドロコデインもあへんを原料として作られます。コカインは南米産の「コカ」の木の葉から取り出したものです。
ヘロインは中枢神経を抑制する作用があり、痛みを和らげる効果がありますが、精神依存とともに、強い身体依存が形成される危険な薬物です。ヘロインが切れると身体中の筋肉に激痛が走り、骨が砕けそうな激痛、悪寒、嘔吐など現れます。
コカインの乱用を続けると、幻覚や妄想などの精神障害が現れとくに皮膚の下を虫が動き回るかのような不快な感覚が現れます。
LSDを乱用し続けると精神障害をきたします。
3 覚せい剤
一般にメタンフェタミン、アンフェタミンの2種類の興奮剤を指しています。
日本では、メタンフェタミンが乱用され、ヒロポンが別名で知られています。「エス」「スピード」「シャブ」などとも呼ばれ、注射、経口、吸煙、により乱用されています。
使用すると神経を興奮させる作用があり、眠気や疲労感がなくなり、頭がさえたような感覚になります。そのような効果も数時間で切れ、その後は激しい脱力感、疲労感、倦怠感に襲われます。乱用を続けると、過度の睡眠不足と食欲減退により身体が衰弱するほか、「いつもみんなが悪口を言っている」、「誰かに命を狙われている」などの幻覚や妄想が現れ、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴行を加えることがあります。
また、乱用を止めても再燃(フラッシュバック)することがあります。
4 シンナー等の有機溶剤
有機溶剤はシンナーとも呼ばれ、塗料などを薄めて粘度を下げるために使用され、数種類以上の有機溶剤を配合した液体です。その成分中には劇物であるトルエンを含んでいます。シンナーはビニール袋で気化して吸入されます。吸入している姿があんぱんを食べる姿と似ていることから「あんぱん」とも呼ばれています。
使用すると、中枢神経が抑制されてぼんやりとし、酒に酔ったような感じになります。
一度に大量に吸入した場合には、呼吸中枢が麻痺し、窒息死することもあります。乱用を続けると、集中力、判断力が低下し、心臓、肝臓等に障害が起こります。特に恐ろしいのは、乱用によって大脳が萎縮することです。一度破壊された脳は、乱用を止めても元に戻りません。
5 向精神薬
中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす物質で、その薬理作用によって鎮静剤系と興奮剤系との二つに分かれます。
向精神薬は医療目的に開発されたもので、医師の指示で服用される薬です。鎮静剤系ではソセゴン、ペンタジン、ハルシオンなど、興奮剤系ではリタリンなどがあり、内服や注射の剤型があります。
乱用すると、感情の不安定、判断力の低下、歩行失調などの障害が生じます。
6 鎮静・去痰薬
咳止め薬等の市販薬中には、塩酸メチルエフェドリンとリン酸ジヒドロコデインの成分が含まれています。
これらを含む医薬品を一度に多量を服用して、その成分の持つ特殊な薬効を強く求めるものです。
乱用者ははじめのうち、高揚感を得る・疲労感を除く目的で使用、その結果塩酸メチルエフェドリンによる精神依存が形成され、その後、リン酸ジヒドロコデインによる身体依存により、乱用と進み、不快感、ふるえ、寒気、妄想によるうわごとを呈するようになります。
この薬物の問題点は、市販薬として最も入手しやすい薬物であるということです。
7 その他
MDMA(エクスタシー)、MDA(ラブドラッグ)は、覚せい剤と化学構造を有する合成麻薬の1種で、薬理作用は類似しており、強い精神依存性を持っており、乱用を続けると錯乱状態になります。
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