第9回 地区まちづくりフォーラム

更新日:

ページID:P0021193

印刷する

フォーラムの写真

開催内容

開催日時

平成29年2月18日(土曜日) 午後2時から4時45分

場所

クリエイトホール10階 第2学習室

参加人数

22名(ご参加された皆さま、ありがとうございました)

テーマ:みどりを活かしたまちづくりを考える

講演

演題:「果樹からはじめるまちづくり」 講師:まちづくりアドバイザー 北嶋好之さん

演題:「みどりのミカタ×見せかた×見つけかた」 講師:まちづくりアドバイザー 保清人さん

パネルディスカッション

演題:「グリーンインフラ」について考える

コーディネーター:まちづくりアドバイザー 保清人さん

パネリスト:中町地区まちづくり協議会 橋本圭司さん

パネリスト:清川・太陽地域再生まちづくり準備会 渡邉常義さん

パネリスト:摺指(するさし)まちづくり委員会 峰尾達雄さん

フォーラムの概要

講演 北嶋好之さん

まちのなかには様々な「みどり」があるので、その意味や役割をパワーポイントの写真を使ってお話しします。

みどりに囲まれたまちからイメージできるのは、自然環境、美しい景観、清浄な空気、木陰の涼、鳥や小動物のすみか、草木の実の収穫、開放感からくるコミュニケーションを育む環境などが考えられます。

都市の中にある緑地などは、希少な動植物のすみか、自然観察、環境教育の場所になっています。身近にある公園も、都市環境機能、健康レクリエーション、避難場所、ボランティアが活躍する場所という役割も担っています。

また、鎮守の森やご神木は、歴史や伝説、伝承、祭り、祈り等の場所として考えられます。保存樹林や屋敷林も同じく郷土のシンボル的なみどりとして、歴史や地域のアイデンティティを醸成させています。

新たな個性や特徴をつくるみどりとして、街路樹やプランターの植栽はまちにうるおいを与え、自宅の生け垣やオープンガーデンなどは、まちの個性やコミュニケーションを育むみどりとして考えられます。 

私が提案する「里山にある果樹を育てる」ことで、多様なコミュニケーションの機会を創ることができます。いきなり「ゴミ置き場の場所をどうする」などと、まちの問題を言いはじめても、地域の人と人との関係があってこそ解決の糸口が見つかるはずです。まちづくりの原点は人とのコミュニケーションです。果樹からはじめるまちづくり、ぜひ取り組んでみてはどうでしょうか。

講演の写真

講演 保清人さん

八王子は、豊かな自然環境と多様なまちなみが共存していて、色々な見え方や見せ方があると思います。後半のパネルディスカッションでパネリストのお三方が住む、裏高尾町の摺指地区、清川町、中町の写真を使いながらお話します。

自分は今子育て中で、高尾に住みたいと考えていますが、日照の問題も気になります。生活に欠かせない日照ではありますが、落葉広葉樹を植栽することで、魅力的な場所をつくることにつながるのではないかと思っています。

清川町は、区域内に大きな公園がありますが、界隈のみどりも活かされていて「いいまち」だと思います。みどりの連続は、まちの価値をあげることにつながります。

中町は、中心市街地の中にあり、みどりが少ないように感じられますが、上から見るとみどりがあることに気づきます。視界にみどりが入るか入らないかで、感じ方が左右されます。また、風によって動くみどりは、目にとまりやすいことから、のぼり旗効果もあるのではないかと考えています。先ほど、みどりの連続性はまちの価値をあげるとお話ししましたが、みどりを目線の高さに入れることで、通行人に飽きさせない変化が生まれるので、通りの価値も高めることにつながります。

「全国都市緑化はちおうじフェア」では、ユーロードはサテライト会場になります。八王子の自然豊かな森のイメージを持ち込みたいと思っていますので、ぜひ皆さんイベントやワークショップに参加してください。

パネルディスカッション

パネルディスカッションの写真

コーディネーター:保清人さん

「『みどり』はなくてはならないもの」ということで、まちづくりの中に上手く取り込むことで、問題が解決できないか考えていきましょう。

パネリスト:橋本圭司さん

平成19年に陸橋の立替工事があり、ピンコロ石を中町で使えないかというのがまちづくりをはじめるきっかけでした。その後、黒塀や道路の整備があり、中町地区まちづくり協議会へと発展して現在活動を続けております。

パネリスト:渡邉常義さん

市役所から、浅川1キロ上流左岸に清川町があります。隣接する楢原町の太陽町会とあわせると670世帯1500人位が住んでいます。道路、交通、堤防など生活インフラの問題をなんとかしたいというのがまちづくりのきっかけで、かれこれ10年ほど活動を続けています。

パネリスト:峰尾達雄さん

圏央道と中央自動車道が接続する八王子ジャンクションの西に、摺指(するさし)地区はあり、昔からの古いまちです。一人暮らしや、空き家が増えてきたことから、町会でも危機感を持ちはじめ、昨年の5月にまちづくり委員会を立ち上げたところです。一人暮らしも高齢者も安心して暮らせるまちづくりを目指していて、その取り組みとして、空き家の活用と地元野菜の即売所開設と地域のお助け事業を行っています。先ほど、まちづくりの原点はコミュニケーションからとお話がありましたが、町会でもまとまりのある方だと思います。

ディスカッション(以下敬称略)

まちづくり活動や課題、困っていることについて

橋本

昨年ですが違法駐輪の問題があり、バイクや自転車が置けないようにプランターをおきました。予算がないので、ユーロードで使われていないプランターをもらい受け花を植えていましたが、どのように維持管理していくかが課題です。

また、せっかくの石畳も吐き捨てたガムで黒くなってしまっているので、工学院大学の学生さんとともに清掃活動も行っています。

9月の第3土曜日には、おわら風の舞in八王子にあわせて、灯りプロジェクトを実施しています。芸者さんのまちではあるけれども、それだけではない、和の雰囲気を大切にしたまちにしていきたいと思っています。 

渡邉

地域の課題テーマは、生活インフラ問題だけでなく、子どもを育む環境、高齢者、防犯・災害、交流、賑わいづくりがあります。

区画整理から50年以上が経ち、公園なども住民のニーズとはずれてきてしまっているので、今の時代の地域にあった公園へと再生するため、拓殖大学の先生の協力を得ながら、まちづくり基本調査の構想づくりを進めているところです。

まちは自らが参加することでよくなっていくと思いますので、さくら祭りや落ち葉焚きなどの行事を通じて新旧住民の交流を深めています。

峰尾

先ほど、日照権の話がありましたが、摺指(するさし)地区も4年前に地域の底力事業で伐採した経緯があります。日照の確保として、他でも保安林のスギを伐採するため、スギ花粉対策事業として伐採しました。都が、今年の3月までにサクラやカエデを植栽してくれることになっていますが、もう少し先になりそうです。

公共と民間の調整やその解決方法など意見を伺いたい

北嶋

維持管理をどうするかが問題になりますが、行政まかせでは維持管理がたちゆかない。以前、表参道のまちづくりをお手伝いしたことがありましたが、毎年50万円の予算をかけて、ケヤキの診断を専門家にお願いしました。その後、東京都へ状況を上程して対応してもらったことなどがあります。

公共から与えられたみどりは、時として地域のニーズにあっていないことがあります。地域にとって何が大切で、何を維持していかなければいけないかなどの話し合いは必要だと思います。また山林などは、資源として活用できないか、経済的価値を生み出すことはできないか考えていく必要もあります。 

質疑

参加者

日本の公園に果樹を植えるのは難しいと思うが。

北嶋

今後行政は維持管理の資金繰りが更に難しくなると思うので、公園アドプトを逆にチャンスと捕らえて、管理をしている自分達の声を行政に伝え、地域が望む公園に変えていけたら良いと思います。果樹は、地域経済的要素として使えるだけでなく、災害が起こった時には食糧にもなります。

参加者

全国都市緑化はちおうじフェアにあわせたユーロードの計画は、林道ができた感じで、1ヶ月半での撤去はもったいない。

橋本

とてもよい計画だと思っていますが、町会の役員会では、反対されてしまうのではないかと思います。この地域は、八王子まつりが常に中心にあるので、山車の妨げにならないよう、移動式で計画をたてていただけたらと思います。

みどりが好きな人の力や応援によって、飽きさせないまちづくりにつなげていきたいです。

これからのまちのメッセージ

橋本

中町は、まつりと花街。歴史と文化をいかした和が薫るまちづくりを地域の理解のもと、進めていきたいと思います。この場をかりて、協力いただいている工学院大学の学生さんに感謝を申しあげます。

渡邉

爽やかな風のように、ゆとり、ふれあい、やさしさが感じられるまち、住み続けたいまちを目指して活動を進めていきたい。100周年記念レガシーとして、浅川に河川公園をつくりたいと思っています。

峰尾

裏高尾の道路(都道516号線)は、花街道と呼ばれていて、それぞれの住宅の庭には、花や植木がよく手入れされています。そのため、多くのハイカーが写真を撮っているのを目にします。3月11日、12日は、高尾梅郷梅まつりがありますので、ぜひお越しいただけたらと思います。

このページに掲載されている情報のお問い合わせ先

まちなみ整備部まちなみ景観課
〒192-8501 八王子市元本郷町三丁目24番1号
電話:042-620-7267 
ファックス:042-626-3616

お問い合わせメールフォーム