第7回都市景観セミナー

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第7回都市景観セミナー

第7回のセミナーは、1月に行われたセミナーのフィールドワークを受けて、「高尾山口周辺の景観の魅力づくり」と題して東京農工大学農学部教授の亀山章さんの講演を行いました。

第6回セミナーにご参加いただいた方を含め、36名の方々のご参加をいただきました。ありがとうございました。
日時:平成17年2月19日(土曜日) 午後2時から午後4時
場所:八王子市役所本庁舎 904会議室

亀山章さん

亀山先生の講演は、子供の頃の遠足で高尾山の山頂で食べようとしたおにぎりが、転がって落ちてしまった悲劇の思い出から始まりました。

以前の厚生省(現在の環境省)にお勤めだった時、高尾山の国定公園の指定と自然研究路の開設をした時のご担当だったとのことです。ご出身は日野市で高尾山にはよくいらしているとのことです。

先生からは色々と興味深いお話を伺いました。(主な内容は以下のとおりです。)
高尾山は東京の名山である。武蔵野台地の主な水系は、多摩川、秋川、浅川の3水系あり、高尾山は浅川の源になっている。また、田中澄江さんの「花の百名山」では、福寿草が見られる山として紹介されている。

高尾山には薬王院を代表とする文化財も多い。神仏混合の信仰の山としての歴史が今も残っている。

高尾山にはブナやモミの自然林や、スギやカツラの植林が見らる。人が美しい山にしようとして造った景観があり、育てられてきた山と言える。モミは江戸時代から明治時代の初めまで東京中にモミが沢山あった。江戸城の中や湯島聖堂、神田明神など安藤広重の江戸の風景画にも多く描かれ、人々に親しまれていた。モミが大気汚染の被害に弱かったため、現在は殆ど残っていない。

このような自然も含めて高尾山は自然が豊かであるということから、昭和42年に国定公園に指定され、自然研究路も整備されている。自然を原始の状態のままで残すだけなら「自然保護区」で良いが、「国定公園」は人が行き、風景や景観を観て感動することが目的になっている。

現在、高尾山には多くの人が訪れる。年間250万人以上とも言われ、東京に住んでいる人が5年に1度は訪れる計算になる。

また、登山口には小さいながらも門前街が広がり、高尾山を背景とした昔ながらの街の構造と名店が残っている。

高尾山は文化的な景色と山や田畑などの里の景色との融合が見られる。もともと日本人が好きな風景は、人がいる里の風景である。

セミナーの様子

参加された方から聞かれた特に印象に残った話は、

  • 私たちは景観の中で生きている。景観とは自分を含む環境や生活そのものである。自分も景観に参加しているということ。
  • 良い景観をつくっていくには、心(感性)と知識(歴史・自然・言葉)が必要で、これらが相互に関連しあって良いスパイラルを形成することが必要。そのためには、知識を深めること、感性を磨くことが必要。
  • 良い景観は人の心の中に居着く。景観の達人になること。

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