第19回都市景観セミナー

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第19回都市景観セミナーを開催しました

第19回都市景観セミナーを、3月9日(土曜日)にクリエイトホール11階視聴覚室において開催いたしました。

本市景観アドバイザーの田邉学さんを講師にお迎えし、都市景観を考える上で重要な要素である「屋外広告物」に関する具体的な取組み事例やその意義、手法などについてご講演いただきました。

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

講師 田邉学さん プロフィール

講師の田邉学さん

八王子市景観アドバイザー
株式会社カラープランニングセンター代表取締役

東京都港区出身。武蔵野美術大学造形学部卒業。株式会社環境デザイン研究所、東京工業大学工学部建築学科研究員を経て、カラープランニングセンターに入社。2011(平成23年)年5月から代表取締役。武蔵野美術大学非常勤講師。
川崎市、鎌倉市などの景観審議会員、港区、千代田区、八王子市などの景観アドバイザー。専門は建築、土木、都市景観、屋外広告物などの色彩。一級カラーコーディネーター(環境色彩)、屋外広告士。日本色彩学会、都市環境デザイン会議会員。

田邉さんの講演の概要

まちを彩る 素敵な屋外広告物

屋外広告物が創る賑わいと八王子の自然・街並みの調和をめざして

八王子のまちは、駅を降りて南口と北口で大きく印象が違います。その中で、屋外広告物が果たしている役割や背負っているものは決して少なくありません。今日は、事例の紹介を中心に「まちを彩る 素敵な屋外広告物」についてお話しします。

色彩を測る

マンセル表色系

色を図るものさしとして「マンセル表色系」についてお話しします。
マンセル表色系は、色相(色の種類)・明度(色の明るさ)・彩度(色の鮮やかさ)の組み合わせた「マンセル記号」でひとつの色彩を客観的に表すしくみで、景観計画などで色彩をコントロールする基準として活用されています。

自然の色彩と都市の色彩

自然の色彩

まちの色(自然の色・都市の色)について考えてみます。
風景の中には「変わらない色」と「変わっていく色」があります。自然の色は季節とともに変化をします。私たちの周辺にある緑の色を重視してまちの色を考えていくことが重要です。
自然の中では、花や紅葉、蝶や鳥などの目立つ色は、小さい・短期で色が変化する・動いていって見えなくなってしまうという特徴があります。風景のベースとなる土の色などの動かないもの・大きいものは比較的地味な色となっており、風景の土台となって鮮やかな色の要素を際立たせています。このような自然界に見られる誘目性の秩序をまちの景観づくりに当てはめてみると、まちは美しくなるのではないかと考えています。

屋外広告物の役割を考える

屋外広告物の特徴は、一つの場所から動かずに比較的長い時間あり続け、それが見える場所にいる人を対象としているということで、店名やブランドイメージ等を伝えるのに効果的なメディアです。そのため、シンプルでわかりやすく、情報の量より質(イメージ)を重視してデザインした方が良いといえます。
屋外広告物は多くの場合、既成の空間に新しく付け加えられるもので、数の増加や大型化などによりまちの景観の秩序が失われがちです。目立つということだけでなく、その場所の特徴を考えて、周囲の広告物やまちなみへの配慮が必要になります。

屋外広告物の色彩デザインを考える

屋外広告物のデザイン

屋外広告物は、詰め込んだ情報すべてが伝達されるわけではありません。その機能やイメージを高める工夫が必要です。色の心理的な効果を適切に組み立てながら、景観との調和も考えて屋外広告物の色彩を組み立てる必要があります。また、見る人との距離によってそれぞれ見えるもの(素材感やデザインなど)や感じられる美しさが異なるので、それを考慮しながら屋外広告物のデザインをすることが重要です。

八王子の現在とこれから

現状でも、まちを彩っている素敵な広告物があちこちに見られます。八王子市では平成23年から景観計画を運用して建築物の外壁や屋根に派手な色を用いることを制限して、まち並みを整える取組みを始めています。また、これから中核市として、屋外広告物についても独自に取組みができるようにしようとしています。商都・八王子で、地域の理解や企業の協力を得ながら、八王子がもっている魅力を活かしたまち並みの雰囲気づくりをしていくことが大切だと思います。他の地域やインターネットに負けない商環境をつくるために、屋外広告物の色やデザインはとても重要になってくると思います。

このページに掲載されている情報のお問い合わせ先

まちなみ整備部まちなみ景観課
〒192-8501 八王子市元本郷町三丁目24番1号
電話:042-620-7267 
ファックス:042-626-3616

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