第18回都市景観セミナー

更新日:平成28年6月29日

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第18回都市景観セミナーを開催しました

第18回都市景観セミナーを、2月19日(土曜日)にクリエイトホール10階第2学習室において開催いたしました。昨年に引き続き、色彩計画家の吉田愼悟さんを講師にお迎えし、八王子市が取り組みを進めている景観形成における色彩の役割について、たくさんの写真を使って具体的にわかりやすくご講演いただきました。

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

講師 吉田愼悟さん プロフィール

講師の吉田愼悟さん

色彩計画家・株式会社カラープランニングセンター取締役

武蔵野美術大学基礎デザイン学科を卒業後渡仏、ジャン・フィリップ・ランクロ教授アトリエで環境色彩計画を学ぶ。

武蔵野美術大学客員教授、九州大学講師。
東京都景観審議会・屋外広告物審議会委員、富山県景観アドバイザー、小田原市都市計画審査会委員、横須賀市景観審議会委員ほか。
著書に「まちの色をつくる」(建築資料研究社)、「景観法を活用するための環境色彩計画」(丸善)など

吉田さんの講演の概要

景色をつくる 景観形成における色彩の役割

平成16年の景観法施行に伴い、景観をつくる上で色彩がどのように取り扱われてきているかをお話しいただきました。景観法のしくみでは、色を数値で表し、基準を定め、使用する色がその基準内に入っているかどうかを判断する、ということが行われてきています。

「景観をつくる」ということは、数値基準でネガティブチェックをするだけではなく、人々がその地域の素材を活かし、育ててきた「地域の色」を理解し、その色を使って地域の景色をつくることが大切です。外国や、他の地域で良い色を見つけたからといって、それはその地域の色だから魅力的なのであり、他の地域では通用しないのです。

写真で、「世界の色」、「日本の色」、「八王子の色」をご紹介し、景観形成に取り組む上での色彩の役割を理解していくことの重要性についてお話しします。

世界の色

ブラジル・サルバドールのまち並み

インドのジョドプール、ブラジルのサルバドールやマナウスのまち並みを例に、「世界の色」について考えてみます。

西洋的な色彩は、多くの色の組み合わせを楽しむ文化から成り立っており、まちではたくさんの色に出会います。しかし、基調色がある幅の中におさまっていることや、建築の様式が揃っていることにより、多様でも統一感が感じられるまち並みが形成されているのが、西洋的なまちの景観の特徴です。

日本の色

福島県・大内宿のまち並み

京都の美山町や、萩、福島の大内宿を例に、日本の「色」について考えてみます。

日本の色は、まち並みには素材色だけを用い、周辺にある自然の色、山や畑の緑や花の色を引き立てているのがその特徴です。色をたくさん使うのではなく、自然との一体化、緑との共生を大切にし、自然のもっている色に委ねる、という考え方が日本の色の文化であり、数値的な色ではなく、材質感や陰影にこだわるのが日本人独特の感性なのではないかと思います。

八王子の色

片倉城跡公園や絹の道、長池公園、高尾山参道を例に、「八王子の色」に着目してそれぞれのまち並みの良いところを考えてみます。

八王子には、様々な場所に、一軒や一部分を見ればたくさんの良い場所はありますが、これからは、それらを連続させてより魅力的な場所にしていくことが重要です。そのためには、新しいデザインを足すのではなく、余計なものをとる・隠すという考え方が必要です。

また、八王子の市街地では、看板の乱立等によって落ち着きのない景観となっています。多様な要素があることが都市の賑わいにつながるのですが、玄関口である駅前の景観づくりでは、看板のあり方等を考え、もう少し落ち着いた景観にしていく必要があると思います。そして、一歩まちに足を踏み入れると、賑やかな界隈もある、ということが都市の魅力になるのだと思います。

景観形成における色彩の役割

最後に、京都市や小田原市の取り組みを例に、景観法に基づく景観形成の取り組みにおいて、色彩がどのような役割を担うのかについて考えてみます。

景観形成に取り組むためには、悪いものを抑えるネガティブチェックばかりでなく、地域によっては色彩について少し厳しい基準を設定し、基準からはずれたものでも、良さそうなものは、地域の人達や景観審議会等で議論していくということが大切だと考えます。それには、市民のみなさんの意識、認識が向上することが不可欠です。

昨年度、八王子市で実施した第17回景観セミナーでは、みんなで公園の遊具のデザインや色を考え、実際に色を塗り替えるというワークショップを行いました。その中では、公園の中にある自然の色、葉や花、土の色を使うことを条件としましたが、これは、地域の景観形成において、その地域の特性を読み取り、周辺のまち並みや自然環境との関係性や地域性を大切にしていくという考え方につながっていきます。このセミナーのような、行政と市民、事業者が一緒になって活動し、何かが変わることを実感するという試みをつづけていくことで、景観形成における色彩の役割を認識していくことが大切だと思います。

このページに掲載されている情報のお問い合わせ先

まちなみ整備部まちなみ景観課
〒192-8501 八王子市元本郷町三丁目24番1号
電話:042-620-7267 
ファックス:042-626-3616

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