第8回都市景観セミナー

更新日:平成28年6月29日

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第8回都市景観セミナーを開催しました

第8回の都市景観セミナーは、平成17年11月13日(日曜日)八王子市役所の会議室で行いました。晴天に恵まれた日曜日、29名の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

日時:平成17年11月13日(日曜日) 午後2時から午後4時
場所:八王子市役所本庁舎 903会議室

セミナーの様子

今回のテーマは「街をデザインする ~シビックデザインの考え方」です。公共施設のデザインを通じて街の景観を考える機会としました。

講師は拓殖大学工学部工業デザイン学科専任講師の永見豊(ながみ ゆたか)さんです。永見さんは昨年3月より拓植大学で景観計画論や景観デザイン論などの講義を受け持っておられます。拓殖大学で講師をされる前は、民間の建設コンサルタント会社で主に橋梁デザインを手がけてこられました。

講演では、橋梁デザインの例を参考に、街の中にある公共的な構造物のあり方についてお話しをいただきました。これらの考え方は、他の構造物についても共通するものがあると思います。

初めに基本的な捉え方として、橋のデザインの変遷をお話いただきました。

1980年代までの「安く・早く・大量に」を目指す効率最優先の時代から、公共構造物に対する快適性、個性、美しさを求め始めた模索の時代を経て、現在は「量より質」、「作り手の論理」から「使い手の論理」への転換期にある浸透の時代に入っているとのことです。

このような時代にでてきた考え方がシビックデザインです。

講演ではご自身の経験を交えて、良い景観を形成するためにはどのようなことに配慮すべきかを論理的にお話いただきました。

他との差別化を求め、放っておいても良い方向に向かう商品デザインとの比較で、公共施設については、放っておくとダメになるという指摘から始まり、構造物の美にとって最も大切なのは「調和」であると説明されました。

具体的に、橋のデザインの基本的な捉え方としては、

  • 「景観デザイン」 (構造物とその周辺環境の調和)
  • 「造形デザイン」 (構造物を構成する各要素相互の調和)

があるとのこと。

「景観デザイン」の基本は「借景」であり、周辺の環境特性を熟知しなければならず、常に周辺環境とセットで考える必要があるとのことです。

(左)実際の金閣寺   (右)背景を加工した金閣寺

写真提供:千葉大学・杉山和雄先生

写真などで見慣れている金閣寺も、背景が少し違うだけで印象がまったく変わるものですね。景観を考えるときの周辺環境の重要性がよく分かります。

造形デザインの基本は、構造物本来が持つ機能についての合理性だけで形を決定しないことが重要。わずかな工夫で橋の造形は格段に向上し、印象が変わってくる。橋の造形デザインはセンスではなく技術である」と、形の成り立ちを例に説明をいただきました。

もとの形と加工を組み合わせて、形の成り立ちを明快にする必要があるとのこと。

出典:「橋の造形学」(杉山和雄著 朝倉出版)

特に公共施設については本来持つべき機能と維持管理にかかるコスト面も考慮して設計しなければならないので難しいとのことです。

さらにセミナーでは、参加者の方にご協力いただき景観の印象評価も行いました。

橋げたの高さによる違い

橋げたの高さによって、圧迫感がこんなにも違うものなんですね。

最後に、まちづくりの景観整備の例として、埼玉県川越市、福島県会津若松市(七日町通りのまちづくり)、山形県金山町の事例をご紹介いただきました。

埼玉県川越市の事例

埼玉県川越市の事例

出典:国土交通省ホームページ

これらの取組みを支える5つの要素として、(1)主体的な参加、(2)個性の発揮、(3)施策の集中的実施、(4)連携と協働、(5)継続と展開をあげられました。

これらは特徴的な街並みを残す景観整備の事例です。セミナー最後の意見交換の中で、「既存の一般的な住宅街については、景観の維持や向上についてどのような取組み方法があるのか。」と、会場から質問がありました。

これに対して永見さんから、「歴史的な街並みと違い、特に特徴がない一般的な住宅地などについては、そこに住んでいる方々が自分達の地域の持つ価値について共通認識を持ち、イメージする良好な街並み形成に向けて主体的に取組むことが必要であると思われます。」とのお話がありました。

シビックデザインって?

街の景観を印象づける街路や橋などは、美しく、親しみやすく、住む人にとって心地よいものであって欲しいと思います。そのようなデザインを考えるのがシビックデザインです。シビックデザインは、近年言われるようになってきた呼び方です。

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