資料名 資料10自立支援協議会の各部会等で抽出した主な地域課題取組み案(20260730運営会議時点) 柱1:一人ひとりに応じた適切な支援 ① 地域生活支援拠点等の運用について、委託拠点事業所の減少や拠点強化事業の終了により、一時的な避難場所や緊急時の受け入れ支援者が不足しており、必要な時に支援が提供できない事態が懸念されます。 【①取組み案】 1.【地域生活支援拠点等への協力事業所の拡大推進】 拠点協力事業所の拡充を、障害福祉課および自立支援協議会全体の重要課題として位置付け、本市が指定権限を持つ障害福祉サービス事業者に対し、地域生活支援拠点等への協力呼びかけを強化する。原則として全ての事業所が拠点協力事業所として機能する体制の構築を目指す。 2.【広域連携および高度医療機関とのレスパイト調整】 三鷹市・調布市・府中市の広域連携(みちふの森)等の先行事例を参考に、医療的ケア児者等のレスパイト体制を強化する。特に、東海大学付属八王子病院や東京医科大学八王子医療センター等の高度医療機関との連携を図り、レスパイト用病床の確保に向けた調整を推進する。 3.【緊急避難時の一時受入スペースの確保】 「桑都の杜」近隣へ移転予定の福祉施設において、緊急避難時における一時受入スペース(緊急避難場所)の確保を関係機関と調整し、整備を推進する。 ② 障害者ケアマネジメントの充実に関しては、多くの計画相談事業所が常勤相談員を複数配置できず、経営が不安定です。市外利用者への相談もあり、市民対象の利用者数が伸びにくい状況です。また、計画相談との契約がないことだけを理由に新規利用を拒否する事業所もあります。 ③ ライフステージに応じた支援では、制度の縦割りにより、子どもから成人、高齢期への移行時に制度の切れ目が生じ、支援が継続できない当事者がいる。 【①③取組み案】 1.【地域診断:実態把握と可視化】 地域診断シートを活用し、相談支援専門員の実人数、常勤換算人数、専従・兼務の状況、担当利用者数、新規受入可能件数、計画作成件数、モニタリング件数及び地域移行支援等の実施状況を継続的に把握・分析する。あわせて、児童、精神障害、医療的ケア、強度行動障害等への対応状況、新規相談を受けられなかった件数とその理由等を把握し、市内で実際に提供可能な相談支援の量と内容、相談支援専門員や事業所が不足している地域及び分野を可視化する。 2.【運営サポート:事業運営支援の強化】 計画相談支援事業所における常勤相談支援専門員の拡大を見据え、障害者福祉課と共に、各種加算の取得要件、必要書類及び手続を整理した八王子市版の資料を作成するとともに、定期的な情報交換の場を設ける。また、様式及び実践例を蓄積し、各事業所が必要な時に確認できる仕組みを整備する。 3.【人材育成:後方支援体制の整備】 主任相談支援専門員等による同行、会議への同席、助言及び事例検討を活用し、新任者や一人事業所の相談支援専門員を地域全体で支える後方支援体制を整備する。 4.【児童期から成人期への相談支援体制の強化】 関係機関と連携し、児童期から成人期まで切れ目のない相談支援・移行支援体制を構築する。また、児童分野における相談ニーズの増加や複雑化に対し、現行の児童発達支援センター、障害児相談支援事業所及び基幹相談支援センターだけでは対応が困難であることを踏まえ、新たな相談支援体制や連携の仕組みを検討する。 柱2:地域サービスの充実・地域生活への移行支援 ④ 重度化や高齢化に対応するグループホームや通所サービスが不足し、退院の妨げになっています。6か月の地域移行支援では十分な退院支援が困難な場合もあります。さらに、精神障害者の多くは医療と福祉の両方を利用しており、連携役となる人材や機関が不足しているため、医療と福祉の連携体制や人材育成が必要です。 ⑯ グループホームの受け入れ制限や契約条件の不統一、高齢化や多様なニーズへの対応力不足が課題。 【①⑯取組み案】 【重度障害者等の居宅介護(ヘルパー)利用における基準緩和と国への要望】 共同生活援助(グループホーム)利用者の内、強度行動障害や医療的ケアが必要な重度障害者等に対しては、事業所内での安全かつ安定した生活を保障するため、個々の心身の状況やニーズに応じたヘルパー等の特例的な利用について、国への制度改善要望および市単独の運用基準緩和を行う。 ⑤ 障害児・医療的ケア児への支援で最も重要な課題は、「在宅レスパイトの提供体制の不備」です。現在の支給時間では家族の休息が十分に確保できない事例、利用したい時に受け入れ先が見つからない状況が続いています。医療的ケア児に対しては、事業所側の看護師一人での対応への不安から、受け入れが困難なケースが多く見られます。また、訪問診療・往診対応してくださる小児科医が少ない課題もあります。 【⑤取組み案】 【重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業の拡充と体制整備】 1.個別の状況に応じた柔軟な運用体制の構築:支援者会議等において関係者により必要性が高いと判断された場合等、現行の年間利用上限(96時間)を超えた利用を可能とするなど、個別の事情に応じた柔軟な対応ができる体制づくりを検討する。また、要綱における例外規定(その他特別の事情により特に支援が必要と認められる者)の運用について訪問看護事業所や計画相談支援事業所等の関係機関に対しても、改めて周知を図る。 2.受入事業所の実態把握と課題解決に向けた検討:訪問看護ステーション等を対象に、受入に関する実態把握(アンケート調査や聞き取り等)を実施する。抽出された課題に基づき、受入事業所の不安を軽減するための研修の実施など、受入体制の確保・拡大に向けた解決策を検討する。 3.医師会等関係機関との協議体制の強化:八王子市医師会、基幹病院等と自治体による協議の場において、小児の訪問診療体制の拡充に向けた具体的な課題解決に向けた協議を継続して行う。(⑤c)※施策11? ⑥ 深刻なのは「ヘルパー不足」です。特に、短時間や行動障害に対応できる事業所が少なく、学校や通所施設の前後に集中するニーズに応えられていません。また、医療的ケア児のケアは、事業所から断られることも多く、安定的なサービス提供が困難になっています。 ⑦ ガイドヘルパー不足により、特に休日にサービスを十分に利用できていない。 【⑥⑦取組み案】 1.【自薦登録ヘルパー等の新たな受け皿構築の検討】 移動支援(ガイドヘルパー)の担い手不足を解消するため、利用者自身が推薦する支援者を活用する「自薦登録ヘルパー」等の仕組みについて、市または社会福祉協議会が直接登録・管理する新たな受け皿の構築を検討し、報酬単価の課題改善に努める。 2.【市主導による各種ヘルパー養成研修の定期開催】 障害福祉現場における人材確保・資質向上を目的として、各種ヘルパー養成研修(移動支援・行動援護等)を市主導の委託事業等として年1回以上定期的に開催する。 3.【民間研修情報の集約と広報による資格取得機会の拡大】 民間事業者が実施する各種ヘルパー研修の情報を集約し、市公式ウェブサイト等を通じて広く周知することで、資格取得機会の拡大と人材誘致を図る。 ⑧ 介護を行う家族支援の充実に関しては、短期入所について、利用したいときに利用できていない。受け入れ場所が無いではなく、どうしたらやれるかというのを皆で考えていく必要があります。 【④⑧取組み案】 【宿泊体験事業の創設】 家族介護者の休息機会の確保及び将来の地域生活への準備を目的として、市が宿泊体験事業を実施する。既存の障害福祉サービスの支給決定の運用で介助体制を確保しながら、自宅、ホテル、拠点協力事業所等(GH、ショート、日中活動スペース、法人独自スペースなど)を活用した宿泊体験の機会を提供する。あわせて利用ガイドや協力施設情報を整備し、市や相談支援専門員等が本人・家族へ提案しやすい環境を構築する。 ⑨ 圏域ごとの施設やサービス内容の偏在、地域特性に合った体制不足が根本課題。 【⑨取組み案】 1.【圏域に基づいた地域自立支援協議会の開催】 市内を「はちまるサポート」の拠点圏域に合わせた3圏域(または既存のネットワーク圏域)とし、年1回、1圏域において、現場の事業所や自治会等も交えた「重層的体制整備」か「地域別自立支援協議会」の枠組みで地域会議を開催し、地域特有の課題抽出と顔の見える関係づくりを実施する。 2.【福祉課の情報集約機能を活用した「地域資源・ニーズの可視化」】 各種福祉サービス受給データ、公的な待機者データ、およびセルフプラン等に記載された潜在的ニーズを圏域ごとに集計・分析。圏域化に向けた基礎データとして整備し、不足している資源を特定することで、戦略的な「条件付け指定」や誘致に繋げる。 柱3:地域で支えあい、活躍できる環境整備 ⑩ 障害者雇用率引き上げ及び除外率引き下げの影響、ご利用者の就労準備性の課題、移行支援事業所の経営課題などが絡み、安定就労に向けた丁寧な支援や支援効果が難しくなってきています。 【⑩取組み案】 【一般就労者の包括的な支援体制強化】 特別支援学校・学級の卒業生や、就労支援事業所からの一般就労者に対し、職場定着・継続に向けた伴走型支援、また安定した職業生活を送るための生活支援が不可欠であるとの認識のもと、市として本取り組みを重点施策に位置付け、関係機関の連携に基づく包括的な支援体制の強化を図る。 ⑪ 就労・修学中に重度訪問介護が使えず、重度障害者の働く機会や学ぶ機会を制限し、当事者の社会参加を阻む大きく制限しています。 【⑪取組み案】 1.【国の事業を活用した就労・修学時の重度訪問介護利用モデルの構築】 厚生労働省の「重度障害者等就労支援特別事業」を活用し、国の雇用施策と本市の福祉施策の緊密な連携のもと、通勤時および就労中における重度訪問介護の利用を可能とする独自の支援モデルを構築・実施する。 2.【就労・修学を希望する重度訪問介護対象者の実態調査実施】 市内在住の重度訪問介護対象者のうち、大学等への進学や一般就労を希望する層、および現に修学・就労中で支援を必要としている層の潜在的ニーズを把握するため、実態調査を実施する。 柱4:地域で支えあい、活躍できる環境整備 ⑫ 虐待・差別や複雑な家庭事情の「グレーゾーン」で対応機関が不明確。日中滞在型GHの不適切支援も見えにくい課題。 【⑫取組み案】 1.【日中サービス支援型GH設置時における事前ヒアリング・合意形成プロセスの定着】  日中サービス支援型グループホーム等の新規設置時における適正な運営を担保するため、指定担当課との連携のもと、地域継続支援部会において事前ヒアリングや審査報告を行い、自立支援協議会全体会での合意形成を図る仕組みを定着させる。 2.【不適切支援・グレーゾーン事例に対する「重層的支援体制整備事業」との迅速連携】 外部の目が届きにくいグループホーム等における不適切支援のリスクや、制度の狭間にある複雑なグレーゾーン事例に対し、個々の事業所が孤立して抱え込まないよう、福祉政策課が所管する「重層的支援体制整備事業」等の多機関協働の仕組みと迅速に連携・事案共有を図るための移送(インテーク)ルートを確立する。 ⑬ 「わかこま号」廃止で重度障害者の移動が不安定。通院などドアツードア支援が必須な方が制度から漏れている。 【⑬取組み案】 1.【移動に制約が大きい層への重度障害者福祉タクシー利用券の特例的上限引き上げ】 「わかこま号」廃止に伴う移動の空白を解消するため、特に移動の制約が大きい医療的ケア児・者、強度行動障害のある方、および疼痛(ペイン)治療等のために通院を要する方を対象に、重度障害者福祉タクシー利用券の支給上限額を引き上げるなどの特例的措置を行う。 2.【福祉有償運送運転者講習に対する公的助成制度の創設】 地域の身近な移動手段を確保するため、福祉有償運送の担い手となる運転者を育成・確保する観点から、国が指定する「福祉有償運送運転者講習」の受講費用に対する公的助成制度を創設する。 ⑭ 平成24年に「障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例」が施行されていますが、まだ広く市民には周知できていない課題があります。条例の中で謳われている合理的配慮や社会的障壁(社会モデル)などの概念が知られておらず、公共交通機関や飲食店、小売店などでの差別解消に向けての取り組み、市民への障害理解の促進が求められます。 【⑭取組み案】 1.【市条例の実効性向上と見直し】 社会情勢の変化や総括所見の指摘も踏まえ、本市における障害者差別解消に関する条例(八王子市障害のある人もない人も共に生きる平和なまちづくり条例等)の実効性を高めるための見直し(改正)を令和9年度に行う。 2.【各種サポーターの連携強化と情報ネットワークの構築】 各種サポーター(障害者サポーター、認知症サポーター、防災サポーター、はちまるサポーターなど)の連携を強化するため、統合型の情報配信ネットワーク(メーリングリスト等)を構築するとともに、市民の理解度や活動実績に応じたステップアップ型の類型化を行い、市民活動への継続的な参画を促す。 3.【当事者参加型の障害者サポーター養成講座の開催】 各事業所において、障害のある利用者とともにサポーター養成講座を開催し、近隣住民が気軽に参加できる仕組みを作ることで、顔の見える関係性と地域理解を深める。また、八王子の障害福祉事業所に対して、拠点の登録精度のように協力事業所を募集し、市のホームページで紹介する。 4.【イベントを活用した体験型啓発活動の展開】 いちょう祭り等の地域イベントにおいて、条例や合理的配慮に関するクイズの実施や啓発チラシの配布を行い、楽しみながら社会モデルや差別解消の概念を学べる機会を創出する。 5.【行政手続き(許可申請時)と連動した条例周知の仕組み作り】 保健所での営業許可や建築指導課での建設許可など、市が事業開始を認める機会(申請書類等)に、「条例を読み、理解した」ことを確認する項目を新設し、事業者への確実な啓発を図る。 6.【保健所等を通じた補助犬への理解促進】 保健所等の窓口において、飲食店等の事業者に対し、補助犬の入店拒否禁止などの合理的配慮について具体的な説明と啓発を行う。 柱5:質の高い生活環境の提供 ⑮ 福祉人材の確保は、求人難・有資格者不足・報酬減少など複合要因による人材不足が深刻で、施策全体の基盤を揺るがしている。 【⑮取組み案】 1.【近隣大学等との連携による障害福祉現場での実習・ボランティア推進】 市内および近隣の大学(福祉系・教育系学部等)に対し、学内カリキュラムや必須単位の一環として、市内の障害福祉サービス事業所等における現場実習・ボランティア活動が組み込まれるよう、大学関係機関への積極的な働きかけとマッチング支援を推進する。 2.【既存の支援事業等の周知徹底による若手人材の市内定着誘導】 若年層の福祉人材の市内定着を図るため、「八王子市定住促進奨学金返還支援事業」等(令和8年度以降は別案)の既存の優遇制度について、市内の全大学生に向けたダイレクトな周知や広報活動を徹底し、福祉業界への就職・定住の誘因とする。 3.【地域課題に連動した指定条件検討会議の創設】 重度化・高齢化、医療的ケア児ニーズ、不適切支援の防止といった地域特有の課題を、新規事業所の指定条件へ的確に反映させるための会議体を創設します。福祉課が集約・分析した「地域資源・ニーズの可視化」データに基づき、サービス種別ごとに付すべき具体的な「条件(重度者受入枠の確保等)」や、開設・実績報告時における審査基準を協議・決定することで、戦略的な資源配置とサービスの質の向上を公的に担保します