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雨水流出抑制に資するグリーンインフラ(雨庭・レインガーデン)
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八王子市のグリーンインフラ
グリーンインフラとは
グリーンインフラとは、社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能(生物の生息・生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制等) を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進める取組です。
※(平成27年8月14日閣議決定) 国土形成計画(全国計画)より
雨水流出抑制に資するグリーンインフラ推進について
雨庭(レインガーデン)とは
雨庭(レインガーデン)は、まちなかの様々な場所で雨水を貯めて土に浸透させ、河川や水路、下水道等への雨水流出を遅らせるとともに、浸水や氾濫被害を減少させる効果があります。
その結果、地下水を涵養することで健全な水循環に貢献し、植物や生き物が豊かになり人も健康な暮らしを楽しむことができるまちが実現できます。
コンクリートだらけの地面では雨水が浸み込まず、そのまま河川や水路、下水道等に流出してしまいます。
市民のみなさまの敷地でも雨庭の仕組みを利用して雨水を地面に浸み込ませてみませんか。
◆雨庭と雨水の流れのイメージ

(イラスト:株式会社ハビタ・滝澤恭平)
◆富士森公園内に設置した雨庭


縁石をカットすることで、縁石沿いに道路に流出していた雨水を雨庭に取り込み貯留・浸透させています。
これまでの取組み
※選択するとその年度の取組みが確認できます。
令和7年(2025年)度の取組み
雨庭(レインガーデン)植栽ワークショップを実施
雨庭(レインガーデン)づくりワークショップを実施
令和7年度 ワークショップレポート
第1回 雨庭(レインガーデン)植栽ワークショップ(令和7年11月19日開催) レポート
富士森公園の雨庭(レインガーデン)が季節の草花を楽しめるオーガニックガーデンに
そこで八王子市では「床上浸水ゼロ」を目標に、豪雨に備えたまちづくりを推進すべく、市民の皆さん一人ひとりが実施可能な取組としてグリーンインフラの一種である「雨庭(レインガーデン)」(以下、「雨庭」とする)に着目しています。その普及促進を図る第一歩として令和7年3月、富士森公園の3カ所に雨水を貯め、浸み込ませる機能を持つ「雨庭」を、市内の造園事業者及び市民の皆さんと共に作りました。

ワークショップ開始前の雨庭(レインガーデン)
「雨庭(レインガーデン)植栽ワークショップ」の開催
秋も深まった令和7年11月19日(水)、富士森公園で雨庭設置後初めて行われたワークショップには、グリーンパートナー※を中心に、6名の方に参加いただきました。
※グリーンパートナーとは、「みどりを育む担い手」を養成するため、本市が実施しているグリーンパートナー養成講座の受講を修了した者。
<滝澤恭平さんによる雨庭のレクチャー>
13時に始まったワークショップ。八王子市環境保全課の担当者によるあいさつの後、まず行われたのは、富士森公園の雨庭を設計デザインし、設置のワークショップでも講師を務めた、滝澤恭平さんによるレクチャーです。

工学博士でもある株式会社ハビタ代表、滝澤恭平さん
そもそも都市型水害がどのような仕組みで起こり、それに対してグリーンインフラの多様な特性がどのように機能するのか。また、富士森公園の雨庭のデザインのポイントや植栽の役割について説明がありました。
<松下美香さん指導によるオーガニックな雨庭づくり>
室内でのレクチャーの後は雨庭へ移動。オーガニックガーデナーの松下美香さんの指導を仰ぎながら、家のお庭でも活用できる雨庭の管理を学びます。
まず行ったのは土壌ケア。植物の健康な生育に欠かせない良好な土壌環境とは、土が柔らかく土の中の菌が繁殖できる環境です。その土壌環境を自然の素材のみで整える方法を教わりました。
この方法で維持管理していくことで、雨庭の「雨水を貯め」、「浸み込ませる」機能を向上させることができます。
「雨庭の良いところは、育てることができるところ」と講師の松下さんは言います。

植栽リストの説明を行う、株式会社パノニカ代表、松下美香さん
軸の長いドライバー、通称「グリグリ棒」を使い、地面に深さ20~30センチメートル程の細長い穴を開けたら、枝を使用し、わら、くん炭、落ち葉を押し込んで、土の中の菌が健やかに暮らせる環境に整えます。

土壌を整えたら、「カワラナデシコ」や「シュウメイギク」などの宿根草を中心に、四季を彩るさまざまな草花が植えられ、その間には、春に芽を出す球根植物を植えて、最後に水やりをすればオーガニックガーデンの完成です。

さすが、日頃からガーデニング活動を行っている皆さんだけあり、植え始めるとあっという間。
最初は石が目立っていた雨庭ですが花々の芽吹きを待ちわびられる、より魅力的なものへと姿を変えました。
富士森公園東側入口にあるこの雨庭は、縁石をカットすることで園路を流れる雨水が雨庭に導水され、浸み込むタイプのものです。
作業後はその効果を検証。実際に水を流してみて、これまで降雨時には縁石沿いに道路に流出していた雨水が雨庭に導かれていく様子を参加者と確認しました。

<ハーブティーを片手に参加者同士の意見交換>
作業終了後は、再び室内に戻り、ガーデニングの本場イギリス式に、温かいハーブティーを飲みながら、2グループに分かれて意見交換を行いました。

初対面の参加者同士であっても、普段から植物に親しんでいる共通点があるせいか、2グループともすぐに打ち解け、盛り上がっている様子。意見交換の後は、一人ずつ感想を発表したので、ここで少しだけご紹介します。
【参加者の意見】
・グリーンインフラや雨庭については、今回のワークショップで初めて聞いたが、まちの中により普及したら良いと思った。
・3月の雨庭づくりのワークショップに参加し、その後が気になっていたので、今回参加できて良かった。また来年3月も参加して、今日植えた草花がどういう風に育っていくのか、見られるのが楽しみ。
・自宅の庭の土が固くなってしまい、そこに雨水が溜まるようになっていたが、今回、グリグリ棒を使って土を柔らかくし、雨水を貯水するやり方を教えてもらったので、早速家族と一緒にやってみたい。
最後に、講師を務めた2人からあいさつがあり、ワークショップは終了となりました。2人の言葉も少しご紹介します。
【滝澤】
雨庭は、手をかければかけるほど成長していく庭だと思います。やっていることは小さなことのようでも、同じように雨水を貯水できる庭がまち中にたくさんできて、それがつながっていくと、都市の水循環の環境はだいぶ変わってくるのではないかと思います。今日学んだことを、ぜひ皆さんの生活にも取り入れていただけたらありがたいです。
【松下】
今日お伝えした、グリグリ棒を使った土壌ケアのやり方は、お家のお庭やちょっとした空き地で手軽に実践できて、土の環境が確実に良くなる。土が柔らかくなることで水捌けも良くなり、水たまりやぬかるみの改善にもなるので、ぜひ試してみてください。次回のワークショップでは、今日植えた植物のメンテナンスを行います。
これからもこのガーデンを見守っていただけたらうれしいです。

作業終了後、土がよみがえった雨庭(レインガーデン)
グリーンインフラ、雨庭など聞き慣れない言葉に、難しい作業を想像してしまう方もいるかもしれません。
しかし、参加者の声にもあったように、身近な道具や自然にあるものを使い、自宅でも手軽に実践できる簡単な方法で雨庭は作ることができます。それが、愛着のあるお庭や空間となり、さらに雨水での困りごとも解決できるなら、その方法、ちょっと知りたくなりませんか。

「これからもここを見守ってほしい」と松下さん
第1回 雨庭(レインガーデン)づくりワークショップ(令和7年12月11日開催) レポート
里山の自然が残る長池公園に、環境特性を生かした
水生植物の雨庭(レインガーデン)が誕生
開園25周年を迎え、八王子市東部地域に暮らす、市民の皆さんの憩いの場になっている長池公園(八王子市別所)。その名の由来ともなっている長池を中心に、貴重な里山環境が保全され、園路には毎日多くの方が散歩に訪れています。

雨庭設置場所へと続く長池公園の園路の様子
しかし、公園の里山環境を保っている落葉樹の落ち葉や、雨水と一緒に流れてくる泥が排水溝をふさぎ、大雨の度に園路が水浸しになってしまうという問題を抱えていました。
そこで八王子市は、長池公園指定管理者「ひとまちみどり由木」様のご協力のもと、特に水がたまりやすい園内2カ所に「雨庭(レインガーデン)」(以下、「雨庭」とする)の設置を計画。施工にあたって、市内の公園の管理を行う指定管理者及び八王子造園業組合に所属する造園事業者の皆さんを対象とした、「雨庭(レインガーデン)づくりワークショップ」を開催しました。
八王子市では「床上浸水ゼロ」を目標に、豪雨に備えたまちづくりを推進すべく、市民の皆さん一人ひとりが実施可能な取り組みとしてグリーンインフラの一種である雨庭に着目してきました。しかし、日本ではまだ造園技術として一般に普及、浸透していないのが現状です。
そこで、このワークショップを通じて雨水に関する課題(敷地外への流出、水たまり、水はけが悪い等)への向き合い方や具体的な手法について学び、実際に雨庭を作ることで公園指定管理者は公園内の雨水に関する課題解決として、造園事業者の皆さんはお客様が抱える雨水に関する課題の相談相手となり、雨庭の仕組みを提案することで市内に雨庭が増え、これらの取組が「床上浸水ゼロ」のまちづくりのさらなる推進に繋がればと考えています。

ワークショップ開始前の現地(雨庭設置場所)の様子。
右側(上流)自然歩道(トレイル)を流れてきた雨水と泥が雨庭設置場所にたまり、
左側(下流)の園路に流出してしまっていた。
「雨庭(レインガーデン)づくりワークショップ」の開催
令和7年12月11日(木)に長池公園で開催されたワークショップには、公園指定管理者と造園事業者の皆さん、合わせて8名の方にご参加いただきました。
<滝澤恭平さんによる雨庭のレクチャー>
13 時からワークショップが始まり、八王子市環境保全課による事業説明の後、長池公園の雨庭を設計デザインした滝澤恭平さんによるレクチャーが行われました。
工学博士でもある株式会社ハビタ代表、滝澤恭平さん
今回のワークショップは、造園のプロの皆さんが集まっていることもあり、グリーンインフラの基礎知識や雨庭の効果などに加えて、雨庭の技術や仕上げにはどのようなやり方があるのか、さまざまな施工のバリエーションが説明されました。
<土壌調査結果を踏まえた雨庭デザイン>
今回雨庭が設置される場所については、工学院大学平山研究室の協力で事前に土壌調査(地面の硬さや水が浸み込む能力の調査)を実施しました。その結果は、想定していたよりも地中が硬く、雨水の浸透や植物の根の進入も難しいというものでした。
そのような調査結果から、雨庭の設計はより多くの雨水を貯留することのできる窪地型
(幅4.5m、深さ50センチメートル)を採用しました。さらに底面にたて穴を掘ること、長池公園に自生している植物を植えることで将来的な土壌改良(浸透機能の向上等)を期待し、雨庭の多面的な機能もデザインされています。
工学院大学平山研究室から提供いただいた土壌調査結果資料の一部
<雨庭づくりワークショップ>
ここからは、ワークショップ(施工内容)の様子を現地で確認する際にわかりやすいよう、3つのパートに分けてご紹介します。
事前の掘削作業として、八王子市造園業組合の「あずま園」様、「杉山造園」様にご協力いただきました。
(1) 自然歩道(トレイル)を流れてきた雨水を、雨庭に導く水の道
今回の雨庭設置場所は、隣接する斜面部の自然歩道(トレイル)から泥水が流れ込みぬかるんでしまう場所です。それを抑制するために園路の泥水を雨庭へ導水し、貯留浸透させることを今回の雨庭の狙いとしました。
最初に行ったのは、園路に流れ込む泥水を雨庭の心臓部である窪地へ導水する道作り。園路から窪地に向かい、傾斜をつけて溝を掘ります。

溝が掘れたら、長池公園の田んぼでとれた稲わらを敷きます。わらを敷くことで、石を組むための路盤(支持層)を形成することと、滝のように流れてきた泥水による目詰まりを防ぐ効果があるそう。また、時間をかけてわらが分解されると土の中の良い菌が増え、土壌を改良させる効果があると言われています。

最後に、わらの上に石を組み、人が歩けるよう仕上げを施して完成です。

(2)水生植物が池のような景観をつくる窪地型の雨庭
雨水を導く道を作っている横では、雨を貯水する窪地を掘る作業が行われていました。この窪地部分で、2.4m3もの雨が貯水できます。

窪地の中には、水生植物を植えるための溝が掘られ、植物の生育を助ける堆肥を混ぜた土が埋め戻されました。

さらに、窪地部分の浸透機能を高めるため、ハンドオーガーで深さ70センチ、直径20センチほどのたて穴を掘りました。土は水を吸うイメージがありますが、締固められた公園の土は固く、このようなたて穴を掘ることで垂直方向の水の浸透力が高まる効果があります。

たて穴には杉の棒が打ち込まれ、その周りに稲わら、くん炭、落ち葉などを押し込むのは、「第1回雨庭植栽ワークショップ」(富士森公園で実施)の時と同様。この穴を中心に土の中の菌が増殖する環境を作ることで、「雨水を貯め」、「浸み込ませる」機能をさらに向上させることができます。

仕上げに、先ほど植物を植えるために掘った溝に、公園内の湿地に自生する「ハンノキ」や「イボタノキ」といった中木や、「ミヤマシラスゲ」、「コマツカサススキ」、「ミソハギ」などの草本類を植えて完成しました。ただ穴を掘り窪地を作るだけではなく、そこに植物を植えることで、植物の根が水を吸うだけでなく、将来的にも土を柔らかくして、浸透機能を高める効果が期待できるそうです。
また、園路から長池のハンノキ林の植生を鑑賞できるようになりました。

(3)雨庭から水が溢れた(オーバーフロー)時の対策
最後に行ったのは、長時間豪雨等により雨庭で雨水を貯留浸透しきれなくなった場合に、雨水を園路の脇にある小川へ導水する溝掘り。
雨庭から溢れた雨水が再び園路に流出しては意味がないので、このようなリスク管理も必要です。

ここまでで約2時間の作業工程でしたが、皆さん、普段から造園に携わっているプロばかりだったこともあり、予定時間通りに雨庭を完成させることができました。
完成した雨庭(1)自然歩道(トレイル)を流れてきた雨水を、雨庭に導く水の道
完成した雨庭(2)窪地型の雨庭。たて穴の場所には石を置き目印に

完成した雨庭(3)オーバーフロー対策。導水⇒貯留浸透⇒オーバーフロー
<質疑応答と感想共有>
作業を終えて、レクチャールームに戻った後は、参加者による質疑応答と、感想の発表が行われました。ここでその内容を少しだけご紹介します。
【参加者の意見】
・窪地を掘って、そこに植物を植えるやり方は想像と違って、庭として面白いと思った。水がたまりやすい庭にあえて池を作るようなやり方は、庭作りの提案として新しく、ぜひ施主さんに提案してみたい。今後に生かせる知識が得られ楽しかった。
・この後どうなるのかが楽しみ。施工の際には、有機物を多く取り入れているので環境にも良く、今後自分の仕事でも取り入れたい。

他にも、「今回窪地の中に掘ったようなたて穴の吸水システムは、園路上でも作れるのか」など、公園管理に特化した質問も飛び出し、「場所を選定する必要はあるが、園路でも可能」とのやり取りが交わされるなど、プロならではのやり取りが。今後、八王子市の公園の雨水流出対策に生かされていくかもしれません。
最後に、講師を務めた滝澤さんのあいさつがあり、ワークショップは終了となりました。
【滝澤さんの最後のあいさつ】
今回皆さんと作った窪地式の雨庭は、雨庭の中でも比較的珍しいタイプだと思います。事前の調査で土が硬く、水がほとんど浸み込まないということがわかり、その状況に適した雨庭はどのようなものか考えデザインしました。水を貯めるために掘った穴を、砕いた石でおおうのが一般的なやり方ですが、今回のようにあえて窪地のまま生かすことで貯留量を確保し、その土地にある植物を植えることで風景としても楽しむことができます。
その結果、雨庭で「ミニ長池」が再現できました。
このようなやり方もあるので、ぜひ皆さんのお仕事に生かしていただけたらうれしいです。
僕としては、八王子のさまざまな公園や庭に雨庭ができて、八王子が東京で一番進んでいる「グリーンインフラのまち」になればいいなと考えていますので、皆さん引き続き、雨庭へのコミットメントをお願いします!

メモを取りながら参加してくださった方も
令和6年(2024年)度の取組み
雨庭(レインガーデン)づくり講座を実施
富士森公園の雨庭設置場所(八王子台町2-2)
◆B地点雨庭サイン(クリックで拡大します)
◆C地点雨庭サイン(クリックで拡大します)
このページに掲載されている情報のお問い合わせ先
- 環境部環境保全課(自然環境・庶務担当)
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ファックス:042-626-4416









