現在の場所 :
トップ > 各種コンテンツ > 広報はちおうじ > 広報紙に連載のコラム > 平成30年フォーカスはちおうじ人

平成30年フォーカスはちおうじ人

更新日:

ページID:P0024774

印刷する

12月15日号 パティシエ 伊藤 文明(いとう ふみあき)さん

トキメキと出会えるお菓子を

伊藤文明さん 

  色や形が異なるパーツをいくつも作製し、精緻に組み合わせて作りあげる飴細工。手がけるのは、パティシエ・伊藤さん。2年に1度、フランスで開催される「お菓子のワールドカップ」に日本代表として出場する。
 小さい頃からパティシエをめざしていたわけではないという。「高校卒業後、目標もなく過ごしていました。お菓子の世界を選んだのもなんとなく華やかなイメージがあったから」。しかし、いざ厨房に入ってみると現実は甘くなかった。「周りはみんな、専門学校を出ていて、味や見た目、すべてのレベルが違いました」。
 それでも、必死になって食らいついた。なんとか1年を迎えると、徐々に先輩からも頼りにされ、自分の居場所が見つかったように感じたという。お客さんから声をかけられることも増え、いつしかパティシエの仕事に対する情熱が芽生えていた。「お菓子づくりは、お客さんをしあわせにする仕事。もっと技術を磨いて、自分にしか作れないお菓子を作りたい。それがコンクールに挑戦するエネルギーになっています」。
 大会は1月に開催される。「やるからには優勝をめざしたい。そこで得た経験や技術をいかして、お客さんに笑顔を届けられたら」。

<プロフィール>
パティスリー・メゾンドゥース(南大沢二丁目)のオーナーシェフ。国内予選では、ロードレースをモチーフにした作品で金賞を受賞し、世界大会にオーナーパティシエとして初めて出場。日本代表3人のうち、飴細工とチョコレートケーキ部門を担う。

11月15日号 八王子将棋クラブ 八木下 征男(やぎした ゆきお)さん

「まち棋士」育て41年

八木下征男さん 

  誰もが将棋を楽しめる場所をこのまちに――会社を辞め、一念発起してクラブを開設してから、あっという間に41年が経った。「将棋漬けの生活も終わってしまうと思うと、やっぱりさみしいですね」。八木下さんが営む八王子将棋クラブは、12月でその長い歴史に幕を下ろす。
 サラリーマン時代、会社の将棋大会で好成績を収めたことをきっかけに、一気にその奥深さにのめり込んだ。クラブの経営が軌道に乗らず苦しい時期もあったが、当時では珍しい室内の全面禁煙、子ども将棋大会の開催など、子どもや女性も訪れやすいようにと工夫を続けてきた。「盤を挟めば、大人も子どもも関係なく対等に楽しめる。それが将棋の一番の魅力です」。
 壁にかけられた名札板には、羽生善治さんなど多くのプロ棋士の名も並ぶ。「まさかここからプロが生まれるなんて、夢にも思いませんでした。40年以上続けられたのは訪れてくれた皆さんのおかげです」。
 体調を理由に閉鎖を決意した時、一番によぎったのは子どもたちの姿だったという。「申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、後悔はありません。ここでの経験を糧にこれからも将棋を楽しんでほしいですね」。

<プロフィール>
41年にわたり将棋クラブを営む。羽生善治さん、阿久津主税さん、中村太地さんなど、10名以上のプロ棋士・女流棋士を輩出。12月末でクラブを閉鎖する。

10月15日号 図書館ボランティア 豊田 亘男(とよだ のぶお)さん

傷んだ本に新たな命を

豊田亘男さん 

  ページの破れや水濡れ、シミ、書き込み――。図書館には汚れや破損で貸し出せなくなってしまう本も少なくない。そういった本をもう一度読者の手に届けるため手作業で修理しているのが、図書館ボランティアの皆さんだ。豊田さんもその一人として、20年以上にわたり活動している。
 もともと本好きだった豊田さん。ボランティアを始めた頃は、修理の道具もノウハウもなかった。「一冊一冊と向き合い、試行錯誤しながら修理の技術を培ってきました」。今では年間4千冊もの本をみんなで修理している。
 本の傷み方によって、直す方法や道具もさまざま。修理場には専門用具のほか、竹串やかまぼこ板など、一見変わったものも並ぶ。「アイデアひとつで身近なものが便利な道具になるんです。もっときれいに、簡単に直せる方法がないかと、今でも工夫は欠かせません」。
 最近では小学校で図書室の本の修理も始めるなど、活動の範囲はますます広がっている。「どれも心を込めて修理した本。直した本が借りられていくと『また頑張ろう』という気持ちになります。私たちの活動が、本を大切にする心を育む手助けになれたらうれしいですね」。

<プロフィール>
81歳。図書館ボランティアとしておもに本の修理を行う。昨年5月に解散した「図書館ボランティアの会」会長。現在も活動をつづけ、図書館や小学校で本の修理に携わる。

9月15日号 はちおうじ子ども食堂 高野 健太(たかの けんた)さん

笑い声が絶えない食堂に

高野健太さん 

  「子どもたちが気軽に立ち寄って笑顔で食事を楽しめる場所にできたら」。そんな想いから「はちおうじ子ども食堂」はスタートした。運営するのは高野さんをはじめとするまちの学生だ。
 無料か安価な値段で子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」。全国的にも広がりつつある取り組みだが、学生が主体となっているケースは稀だ。「食堂を通じて学校では得られない経験をたくさんさせてもらっています。大学生は、親でも先生でもない『お兄ちゃん・お姉ちゃん』。気軽な距離感だからこそ築ける関係があれば」。
 季節に合わせたメニューもこだわりの一つ。「夏は沖縄料理を出したり、クリスマスにはケーキを食べたり、少しでも楽しんでもらえるようにみんなでアイデアを出し合います」。工夫を凝らした料理は、子どもたちだけでなく、保護者からも好評だという。
 スタートから4年目を迎え、食堂は今、子どもたちの日常の一部となっている。栄養管理や調理など、まちの大人たちの助けも運営を支える。「ボランティアの皆さんには本当に感謝しています。まちのみんなで作ってきたこの場所をこれからも守っていけたら」。

<プロフィール>
谷野町在住。創価大学4 年生。大学入学後、「はちおうじ子ども食堂」(東町)の活動に参加。食堂は毎月第2土曜日に開店。

8月15日号 桑都ダブルダッチクラブSTAR SMILE☆

輝く笑顔で勝利へジャンプ!

STARSMILE 

 「ロープの中を自由に跳ぶ爽快感は、ほかのどんなスポーツでも味わえません」。世界中で子どもから大人までを魅了するなわとび競技・ダブルダッチ。跳び手は二本のロープが描く輪に入り、跳ぶスピードやテクニックを競う。この世界大会で何度も輝かしい成績を収めているのが、中学二年生のダブルダッチチーム「STAR SMILE☆」だ。
 強さの秘訣は息の合ったチームワーク。ひとりではできない競技だからこそ、勝利の鍵となる重要な要素だ。チームは結成して3年だが、メンバーの多くは保育園の頃から一緒に競技をしながら育ってきた。ぶつかり合うこともあるが、そのたびに想いを伝えあって築いた絆が今のチームの武器になっている。「試合前には必ず円陣を組んで、全員の心をひとつにしています。呼吸やリズムがぴったり合って技が成功した瞬間は『やった!』という達成感でいっぱいになりますね」。
 31か国の選手と競い合った世界大会。次の目標は総合優勝だ。「これからもチームみんなで跳び続けたい。私たちが勝つことで、ダブルダッチの魅力をたくさんの人に知ってもらいたいですね」。

<プロフィール>
後列左から中尾健亮さん、牛久保美弥さん、上野早智さん、前列左から川端健太さん、髙橋愛夢さん、山﨑千輝さん。7月に開催された世界大会「WORLD JUMP ROPE CHAMPIONSHIP」でジュニア混合部門総合3位、ペアスピード競技混合部門(年齢制限なし)優勝に輝く。 

7月15日号 「高尾ビール」醸造家 池田 周平(いけだ しゅうへい)さん 

ビールでまちに新しい風を

池田周平さん 

 元は織物工場だったという小さなビール醸造所。その中にはアメリカから取り寄せたこだわりの器材が並ぶ。「気軽に立ち寄ってもらえるように、ドアはいつも開けているんですよ」。自然豊かなこの場所で造られる「高尾ビール」は、まちの魅力が詰まった一杯だ。
 学生時代からビールと登山が大好きだったという池田さん。卒業後も、働きながらビール造りを学んできた。「登山者と地元の人が、ビールをきっかけに交流する海外のビール文化に憧れていたんです。高尾山の麓のこのまちにも、そんな場ができたらなと思いました」。
 高尾に移り住んで4年、ゼロからスタートしたビール造り。今では地域の農家などさまざまなつながりが生まれている。「お米や小麦、フルーツなど、採れたての素材は高尾ビールに欠かせないものになりました。農家の皆さんも自分が育てたものがビールになったと喜んでくれています」。
 ビール造りの輪は少しずつ広がり始めている。「今後はビール造りを通じて知ったまちの魅力をたくさんの人に伝えたい。ビールでこのまちをもっと盛り上げていきたいですね」。

<プロフィール>
高尾ビール株式会社代表取締役。八王子産米やユズ、パッションフルーツなど、季節の農産物を使ったビール造りを行う。地域のイベントや高尾の酒屋で販売。
 

6月15日号 宇津貫みどりの会 城所 幸子(きどころ さちこ)さん 

守りたい、里山の輝き

城所幸子さん 

 人が行き交うみなみ野駅からほど近い場所に、その美しい里山はある。「ここには約600種の植物とともに多様な生き物が生息しているんですよ」。そう語るのは、「宇津貫みどりの会」の会長・城所さんだ。
 およそ30年前に始まったみなみ野エリアの開発。まちが変わっていく中、地元の自然を守りたいという地域住民によって「宇津貫みどりの会」は発足した。「もともと環境問題に強い関心があったわけではないんです。慣れ親しんだみどりを少しでも残していけたらと思い、活動をスタートしました」。
 近年、失われつつある里山。豊かな自然を守るためには、日々の下草刈りや落葉掃きなど、地道な作業が大切だ。「きちんと手入れをすると、山もそれに応えてくれるんです。今年もヤマツツジが咲いているよとか、もう蛍がいるねなんて話をしながら、四季折々の山とのふれあいを楽しんでいます」。
 子どもたちや地域の人々へ里山の魅力を伝えることもやりがいのひとつだという。「ここにはかつて当たり前にあった風景が残されています。花や木、動物と五感でふれあえる喜びを伝えていきたいですね」。

<プロフィール>
1991年に主婦の仲間とともに「宇津貫みどりの会」を発足。2007年から会長に就任。現在は54名のメンバーとともに里山の保全活動や、自然とふれあう体験講座の開催、地域の伝統文化の継承などに取り組んでいる。

5月15日号 アマチュアゴルファー 和田 博(わだ ひろし)さん 

ゴルフを通して自分と向き合う

和田博さん 

 「ゴルフは自分と向き合う時間を与えてくれるんです」。笑顔で和田さんはそう語る。自ら会社を経営しながら、20 年以上にわたりトップアマとして走り続けてきた。
  父親に勧められ、12 歳から始めたゴルフ。初めてクラブを握ったときは、こんなに長く続けるとは思わなかったという。「ゴルフが楽しくなったのは大人になってからでした。コースをどう攻略すべきか?どうやったら上手にプレーできるのか?すべてにおいて自分の責任でプレーできるからゴルフは楽しいんです」。
  日中は経営者として辣腕を振るう。練習の時間は限られているが、だからこそ、自分に何が足りないのか、どのように練習すれば効果的か、常に思考することの大切さに気付かされたという。「ゴルフを通して、思考力や判断力が磨かれました。なにより人として成熟できたと思います」。
  さまざまなことを教えてくれたゴルフ。今後は、子どもたちにその魅力を伝えたいという。「気軽にクラブを握れる環境が作れればいいですね。子どもたちに思いっきりゴルフを楽しんでもらえたら」。
<プロフィール>
 暁町在住の55歳。会社を経営しながら、「日本アマチュアゴルフ選手権」、「日本ミッドアマチュアゴルフ選手権」、「日本シニアゴルフ選手権」で優勝。史上初の「日本」タイトル3 冠を達成する。

4月15日号 無料塾運営 小宮 位之(こみや たかゆき)さん 

まちで蒔く 学びの種

小宮位之さん 

 「ここを巣立った子どもたちが、いつか困っている誰かの力になってくれたら――そんな想いで無料の学習塾を立ち上げました」。そう語るのは、「八王子つばめ塾」理事長の小宮さん。経済的な事情で塾に通えない子どもたちのための無料塾を開講し、6度目の春を迎えた。
子どもたちの中には、勉強したくても学費の問題から有料の塾に通えず、将来の可能性を狭めてしまう子もいる。自身も親戚の援助や奨学金を受けながら、苦労を重ねて大学に進学した。子どもたちが少しでも安心して学べる環境をつくりたい、という想いはそこから生まれた。「どんな境遇でも学ぶ機会を失わず、社会にはばたく手助けができたら」。
 生徒一人から始まったつばめ塾は、地域からの支援も増え、今では市内7教室に90名以上の生徒が在籍。「勉強が楽しくなった」「頑張って夢を叶えたい」という声を多く聞くようになった。
 講師やまちの人と触れ合う中で、夢を見つける子どももいるという。「理想は地域で子どもたちを育てる輪を広げること。たくさんの人々に支えられて学んだ経験を活かして、夢を叶えてくれたらうれしいですね」。
<プロフィール>
40歳。NPO法人八王子つばめ塾理事長。2012年9月に無料の学習塾を開講し、受け入れた生徒は延べ300名以上。その活動に共感し、全国で無料塾が誕生。自身も各地でその立ち上げを支援している。

3月15日号 アジリティインストラクター 三浦 美紀(みうら みき)さん

イヌと一緒に 走り続けたい

三浦美紀さん 

 「アジリティは大好きなワンちゃんと一緒に、誰でも楽しめるスポーツなんですよ」。人とイヌがペアで行う障害物競走・アジリティ。三浦さんは昨年10月にアメリカで開催された世界大会で、日本人初の優勝を成し遂げた。 アジリティのコースには、ハードルやトンネル、シーソーなど、さまざまな障害が設けられている。素早く正確に走り抜けるためには、イヌとの信頼関係を築くことはもちろん、どうすれば走りやすいかを考え、的確な指示を出すことが大切だ。「イヌは人の気持ちにとても敏感。指示の遅れや気の迷いは失敗につながってしまうんです」。
 幼い頃から動物が大好きだった三浦さん。トレーナーとしてもたくさんのイヌを育ててきたが、イヌが新しいことを覚えたときの喜びは変わらないという。「イヌたちも人と遊ぶことが大好き。ふれあう中で、私自身もたくさんのことを教わりました」。
 念願の優勝を果たした今もイヌとともに走り続けている。「競技を通じて、お互いのことをもっと知っていけたらな」。

<プロフィール>
戸吹町在住。2005年からアジリティを始め、2017年10月にアメリカで開催された世界選手権大会(22インチクラス)で、日本人として初めて優勝を果たす。

2月15日号 実践学園高等学校サッカー部主将 尾前 祥奈(おまえ しょうな)さん

等身大のプレーで

尾前祥奈さん 

「選手全員がひとつになって戦う。チーム力が僕らの強みです」。実践学園高等学校サッカー部・主将の尾前さんはそう語る。昨年末に開催された全国高校サッカー選手権大会。粘り強いサッカーで東京予選を勝ち抜き、チームは全国のピッチに立った。
 ポジションはセンターバック。フィールド全体に目を向け、自らも果敢なプレーでチームを盛り立てる。「ピッチの外でも声をかけることを大事にしています」。選手権前には30人の選抜メンバーと話し合う時間を作るなど、主将として一人ひとりと向き合い、等身大の想いを伝えてきた。「チームメイトと真剣に向き合うには勇気が必要でしたが、後悔だけはしたくなかったんです」。
 全国大会では惜しくも一回戦で敗れたものの、主将として戦ってきた日々はかけがえのない財産だ。「チームメイトを通じて自分自身とも向き合えたんじゃないかと思います。支えてくれたみんなには本当に感謝しています」。
最後の大会を終え、グラウンドには後輩たちの声が響く。「プレッシャーはあると思いますが、気持ちをひとつにして、思いっきりサッカーを楽しんでほしいですね」。

<プロフィール>
実践学園高等学校(中野区)3年生。主将として175名の部員を率いた。狭間町にある高尾教育・研修センターで学業や練習に打ち込む。同校サッカー部は近隣小学校でのサッカースクールのサポートや、夢街道駅伝への出場など地域との関わりも大切にしている。

1月15日号 着物デザイナー 重宗 玉緒(しげむね たまお)さん 

着物にトキメキを詰め込んで

重宗玉緒さん 

 昨年9月に駅前のユーロードで開催された着物のファッションショー。鮮やかな色使い、大胆なモチーフ、圧倒的な存在感――モダンなデザインが観客の目を釘付けにした。手がけたのは着物デザイナーの重宗さん。「自分がいいなと思えるファッションを届けたくて作っています」と話す。
 着物デザインに興味を持ったのは、美大生時代、大正・昭和初期の着物と出会ったのがきっかけだった。「当時の女の子たちがおしゃれを楽しむ気持ちが伝わる、カラフルな色使いや柄に魅了されました。私もこんな着物で出かけてみたいって」。
 ファッションショーに向けては、八王子の伝統工芸・多摩織とコラボ。いつものようにモチーフを描くのではなく、限られた柄を組み合わせる難しさがあった。一方で、先人が磨き上げた技の奥深さに触れ、世界が広がる感覚があったという。「ランウェイを見たおばあさんがこんな着物が着てみたいとおっしゃったんです。伝統の技を活かすことで、世代や性別を問わずに響く着物を作れたのだと思います」。
 国内外での個展の開催など挑戦は続く。「着物や帯の柄の合わせ方で、ストーリーを表現できるのが着物の魅力。誰かの『物語』のきっかけになれたらうれしいです」。

<プロフィール>
多摩美術大卒。市内にアトリエを構え、着物や帯などを制作する。昨年、「多摩伝統文化フェスティバル」で多摩織とコラボしたファッションショーを行ったほか、市の文化芸術フォーラムで講演を行った。

このページに掲載されている情報のお問い合わせ先

都市戦略部広報プロモーション課(広報担当)
八王子市元本郷町三丁目24番1号
電話:042-620-7228 
ファックス:042-626-3858

お問い合わせメールフォーム