第3章 計画の基本的な考え方 1 基本目標 本市では、「八王子市障害者計画・第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画」において、“全ての障害者が、必要な支援を受け、社会参加し、地域で、安心し、充実した自立生活ができるまちづくり”を向かうべき方向として定め、障害の有無にかかわらず、いきいきと暮らしていける社会の実現を目指してきました。 八王子市障害者計画、第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画の基本目標は、本市の基本構想・基本計画である「八王子未来デザイン2040」にて推進する“地域づくり”や、国において定めている「障害者基本計画」内の基本理念である“共生社会の実現”は、これまでの計画の考え方と合致していることから、前計画の基本目標を継承します。 基本目標 全ての障害者が、必要な支援を受け、社会参加し、地域で、安定し、充実した自立生活ができるまちづくり 2 基本方針 基本目標実現のためには、全ての障害者が、それぞれの地域ごとの特性や、それぞれの事情に則した支援を受け、自ら判断し、選択し、主体的な生活を送ることができる環境を整備し、障害のある人もない人も、全ての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、共に生き、共に創り出す社会を築くことが必要です。 この社会を築くため、本市では、圏域のあり方や、その圏域ごとの支援について検討し、障害者が日常生活を営む上でのあらゆる障壁の除去に努め、障害者が自立し、地域で安心して暮らしていく地域づくりを行い、障害のある人とない人がともに学び、働き、支え合うことができる環境を整備することが必要であると考え、本計画において、これらを達成するため、次の3つの基本方針を定め、障害福祉施策を推進していきます。 (1)安心して暮らせる地域づくり 地域生活への移行と自立した暮らしを支援する環境の整備 住み慣れた地域で、社会の一員として尊重され、自分らしく暮らしたいと思うことは、全ての人の願いです。障害者が病院や施設から地域生活へ移行し、住み慣れた地域で、自立し安心して暮らしていくために、福祉・保健・医療にかかる支援や、相談・情報などの日常生活に必要なサービスを提供し、安心して暮らせる地域づくりを目指します。 (2)ともに学び、働き、社会参加できる地域社会に 教育・労働・社会活動への参加を支援する体制の充実 障害の有無にかかわらず、いきいきと暮らしていける社会の実現のためには、障害者一人ひとりが、個性と能力を発揮した活躍の場を持って生活できる共生社会の実現が必要です。社会を構成する一員として、障害のある人もない人も、ともに学び、働き、社会参加できる地域社会を実現していくために、学習環境・就労環境を整備するとともに、地域社会、スポーツ・芸術活動などへの参加を支援し、社会参加を推進します。 (3)ともに支えあえる地域社会の実現を 地域でともに支えあう社会の実現と障害者の権利擁護 障害者が地域で安心して暮らすためには、地域の理解は何より大切であり、私たち一人ひとりが、障害について理解を深めることにより、差別や偏見は解消されます。障害のある人もない人も地域でともに支えあう社会を築いていくために、障害者同士や地域の方々との交流を進めるとともに、地域福祉を推進していきます。 3 基本方針を支える柱(目指す姿) 障害者計画では、基本方針を達成するため、基本方針を支える柱を次の5つに設定し、各種施策を整理して体系立て、障害福祉施策に取り組んでいきます。 柱1:一人ひとりに応じた適切な支援 本人が希望する生活の実現に向け、障害者とその家族が身近な場所で相談できる体制の充実を図ります。 障害者やその家族が安心した生活を営むことができるよう、保健・医療・福祉が連携し、一人ひとりに応じた支援の充実を図ります。 柱2:地域サービスの充実・地域生活への移行支援 病院施設の入所者が地域生活へ移行し継続して暮らし続けられるよう、障害福祉の充実を図ります。 医療的ケアや肢体不自由の障害者(児)、発達障害児への支援の充実を図るとともに、地域で包括的な支援が受けられる体制づくりを推進します。 障害のある人が地域で自立した生活ができるよう、各種制度や手当に関する情報発信・周知により利用を促すとともに、支援の充実を図ります。 柱3:地域で支え合い、活躍できる環境整備の充実 働く意欲のある障害者がその適性に応じて能力を十分に発揮し、働き続けられるよう就労支援体制の充実を図ります。 障害のある人が適切な教育を受けられるよう、教育環境を整備するとともに、誰でも学べる学習環境の充実を図ります。 障害のある人がその適性を活かし、スポーツ・芸術活動に参加できる環境づくりを推進します。   柱4:インクルーシブ社会の推進 障害理解について、幅広く市民への普及啓発を行うとともに、関係機関と連携し、障害を理由とする差別の解消や、権利擁護のさらなる推進、虐待の防止に努めます。 障害のある人が地域とつながり、支え合い、地域で暮らすことができるよう障害への理解を深めるための交流の場や、障害福祉に携わるボランティア活動の環境の整備を推進します。 障害のある人が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、公共交通機関や道路、建築物等のハード面と、情報提供、意思疎通の支援等のソフト面の両面からバリアフリー化のさらなる推進を図ります。 柱5:質の高い生活環境の提供 障害のある人が住み慣れた地域で安全・安心な生活ができるよう、防災・防犯対策のさらなる充実を図ります。 利用者の一人ひとりに応じた良質なサービスを選択できるよう、障害者施設における福祉サービス及び福祉人材の質の向上を図ります。 障害のある人の地域生活を支えるため、居住環境と日中活動の場の整備を図ります。